グラフィックデザイン科 ブログ 個別記事(グラフィックデザイン 専門学校)

デザインで未来を創る。



蒲田 八王子 3年制 グラフィックデザイナー・イラストレーターをめざす人の情報ブログ グラフィックデザイン科ブログ

オープンキャンパス+体験入学 多彩なデザインの仕事を体験しよう!

【YTのススメ】ベン・シャーン《クロスメディア・アーティスト》展

2012年01月29日 【YTのススメ】ベン・シャーン《クロスメディア・アーティスト》展

yamataku_bana_

本日129日、神奈川県立近代美術館 葉山で終了するベン・シャーン(1898-1969)というアメリカ人アーティストの展覧会について書きたい。

ベン・シャーンの表現は今の言葉で言えば、グラフィックデザイナーかイラストレーターと形容するのに相応しい。特徴的な線(タッチ)、具象的なモチーフと抽象的なパターン、そして画面の中に登場するタイポグラフィは、日本のグラフィックデザイナーにも影響を与えてきたとイラストレーター和田誠氏も展覧会図録に収録されているインタビューで語っている。

実際に作品を体験すると強烈なインパクトを感じるわけではないけれど、観る者の内側にスーッと何かが入り込んで来て、気がつけばベン・シャーンをもっと理解したいという気持ちになっていた。

ベン・シャーンがモチーフとして目を向けるのは人々の生活であり、その人々の生活をおびやかす大きな「力」である。195431日、南太平洋のビキニ環礁東の海域を航行中のマグロ漁船「第五福竜丸」がアメリカの水爆「ブラボー」の爆発実験に遭遇、23名の乗組員全員が死の灰を浴びた事件についてベン・シャーンは作品を残している。人間による人間に対して行われた罪を問うベン・シャーンの姿勢に迷いはない。こうした点も日本のグラフィックデザイナーに影響を与えてきたのだと思う。

ベン・シャーン《クロスメディア・アーティスト》展は、神奈川県立近代美術館葉山では本日終了するが、今年中に名古屋市美術館、岡山県立美術館、福島県立美術館へと巡回する。ただし、福島県県立美術館では一部作品が展示できないという報道を毎日新聞で読んだ。この展覧会のために作品を提供したアメリカのある美術館が福島県内での展示を認めなかったのだという。FUKUSHIMAの放射能による判断なのだろう。残念でならない。今もしベン・シャーンが存命していたら、こうした事態をどのように捉え、伝達するだろうか? というふうに考えるのは私だけではないと思うが、ベン・シャーンはもういない。

しかし、本巡回展実施の中心となっている福島県立美術館の学芸員・荒木康子、堀宜雄両氏がベン・シャーンの「語り部」となって3.11以後の福島でベン・シャーン展を行う意義を雄弁に語ってくれるだろうと期待している。

というわけで、少し遠回りしたがこの文章は今年63日から福島県立美術館で行われるベン・シャーン《クロスメディア・アーティスト―写真,絵画,グラフィック・アート―》展の告知である。FUKUSHIMAでこの展覧会を観ることの意義は大きい。(八王子校・山口)
 


 benshahn

n-94334894 at 10:4 | この記事のURL | |